#002 松塩クリニック透析センター 事務局/総務情報連携 守屋 員利
諏訪湖にほど近い自宅を車で出るのは、毎朝6時10分と決めている。
冬場はまだ薄暗く手を擦りながらの運転になるが、今頃のような初夏の時期は
湖畔の柳の新緑やつつじが色とりどりに咲くのを横目で眺めながらひとしきりのドライブ。
一般の勤め人の方々に比べても、自分の出勤時間は早い方だと思う。
季節毎に移ろう景色に触れながらさほど交通量の多くない道路をスムーズに走行できるのもこの時間ならではの贅沢かもしれない。
勤務地である松塩クリニック透析センターには7時頃到着。 建物裏手にある職員用駐車場に車を回すと、透析室のスタッフ何人かが挨拶もそこそこに早足で建物の中に入っていく。 自分も車を駐め玄関にまわると、透析室内では既にスタッフが忙しそうに動いているのが換気のために開けてある窓から垣間見える。 透析を安全に行うための早朝からの準備。 毎朝のことであるが、ああ、患者さんを安全に迎え入れるためにもう透析業務は始まっているのだな、とその様子を見る度に実感する。
正面玄関の自動ドアは7時15分に解錠する。早速ちらほらいらっしゃる患者さんたち。
入館時の手指消毒とサーモカメラによる検温にも患者さんももう慣れたもので、立会いの看護師や事務スタッフと挨拶やその日の体調について会話を交わしながら更衣室へ。
当院の送迎バスが車寄せにゆっくりと入ってくる。玄関先が一気に賑やかになる時間だ。
玄関を入ってすぐ奥のロビーでは、皆さん思い思いに透析室への入室を待っている。
南側・西側が全面窓で日当たりの良いこの場所は、クリニックでも自慢のスペースになっている。
7:55に看護助手が声を掛け、患者さんたちの透析室への入室が始まる。
車椅子の方は少し早めの入室、その後患者さんたちは整然と透析室の入口へ向かって行かれる。
9時前にはロビーはうってかわってがらんとした静けさが訪れる。
それも一時。またお昼前には入室を待つ午後透析の患者さんや透析を終えて院内で提供する食事を召し上がる患者さんでまた賑やかさが戻ってくる。
午前透析の患者さんには、透析後お昼を召し上がってから帰られても充分午後の時間が使えると喜ばれる方も多い。
8時過ぎには透析を開始するということだけでも、患者さんの日常に少しのプラスになっているようだ。
毎日繰り返される何の変哲もない朝の風景。しかし早朝からのスタッフの努力と患者さんの協力が支えている風景。
それこそが自分が感じる一番の「松塩らしさ」だと、少し誇らしさを感じながらその日の業務に向かう。
<掲載日時 : 2021年07月20日>