昭和56年に島々診療所を開設して以来、地域の人に親しまれ、信頼・期待され、それに応えるために、日々努力をしてまいりました。
最初に取り組んだ辺地医療では、住民における生老病死の平等を目指し、超高齢者から乳児まで、あらゆる疾病の患者さまと向き合って診察と治療を行なってきました。この経験は、他の施設で治療を断られるような重症の患者さまにもすべて対応する、私たちの今日の信念へと繋がっています。
辺地医療においては、患者さまの全身を見る思考を持ち、食事指導から運動指導まですべてを行なわなければなりません。最近では、ゼネラル・メディスン(総合内科)と言われるこのような実践経験を、私たちは辺地の医療において地道に積み重ねて来ました。この経験が、患者さまの全身を見る透析治療に、引き続き活かされています。
私たちは、平均的な治療法をすべての患者さまに当て嵌めるような手法を良しとしません。患者さまの病状や体力は、すべてが異なります。表面的な数値だけでなく、患者さま自身を良く見ること。良く聞くこと。それによって、患者さま自身の生命力の強さを最大に引き出すような医療を行ないたいと考えています。私たちはそれを自然体の医療と呼んでいます。
他方、私たちは、ホテルのようなサービスを行なうつもりもありません。私たちが考える本当の医療サービスとは、「正しい医療を温かい心で行なう」、ということです。各スタッフが、それぞれの領域における専門家として、持てる力のすべてを患者さまの治療そのものに投入すること。それが私たちの理想です。スタッフがプライドを持って働いているからこそ、患者さまも安心してその身体を私たちに委ねることができると信じているからです。
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