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 松塩クリニック透析センターのスタッフが大切にしているのは、「患者さまが元気で長生きできるように奉仕する」という考え方です。単にべたべたすることや、優しいことではありません。必要なのは共感を持って仕事することです。そのためには日々の勉強が必要になります。患者さまは、それぞれの訴えを持っていますから、その状況に合わせて可能な範囲で説明をすることで、患者さまの気持ちが変わってきます。

 松塩クリニック透析センターでは、半年ごとに自己目標を決め、半年後に自己評価を行います。自己目標と評価はファイルに綴じてスタッフに見える場所においてあり、院長も見ています。自己評価の際に、上長が面接を行い、普段は忙しくて話せないこともじっくりと聞いています。

 医療安全委員会、感染対策委員会、業務改善委員会などの活動があり、月1回のミーティングを行っています。中でも、業務改善委員会では、患者さまのデータをファイリングするデータのフォーマットを日々改善したり、パンフレットの作成など自発的な取り組みを行っています。

 経験や年齢は問いません。患者さまへの共感を持って仕事の出来る人をお待ちしています。透析の現場では、多面的な意見を総合して考える機会が多いので、看護師や臨床工学技士の、個々の技術や考え方が治療方針に反映し易く、プライドを持って臨める職場だと思います。

 

 松塩クリニック透析センターでは、看護師の自発的な取り組みとして、フットケアチームの活動があります。フットケアに対する看護師の意識改革と、患者さま自身が足の異変に早く気づくことを目指すものです。

 近年では、糖尿病の増加に伴って、閉塞性動脈硬化症によって足病変のある患者さまが増え、最悪の場合には足を切断せざるを得ないこともあります。松塩では、隣接する介護施設に入居した患者さまの足が、非常に悪化していたにも関わらず、血管形成術と丁寧なフットケアによってきれいな足を取り戻せたことを契機に、病変の早期発見を目指した取り組みが始まりました。

 2010年12月に4人の看護師がフットケアチームを立ち上げて、まず患者さまに病気のことを知ってもらおうと、「かわら版 いつまでも自分の足であるこう」というフリーペーパーの配布を始めました。2011年10月の5号まで発行し、この1年間で、患者さまの関心も深まってきました。スタッフもフットケアへの理解を深め、マッサージなどを通しての観察が可能になっています。患者さまからも大変喜ばれています。

 今後は、スタッフ向けに、観察の仕方やマッサージの方法などの勉強会を行うこと、患者さま向けのチェックシートを作ることを計画しています。 他にも、初めて透析を導入された患者さまの来院が増えたために、透析のことを簡単に説明するパンフレットづくりも進められています。

 

 私は臨床工学技士として、これまでに人工心肺装置や人工呼吸器など様々な医療機器を担当してきました。これらの業務と異なり、人工透析治療のような慢性期医療の現場では、患者さまと長期間お付き合いさせていただくことになります。患者さまの長い人生に寄り添いながら、日々の生活をサポートする中で、「臨床」という言葉の意味、重みを実感しています。

 臨床工学技士は医療機器の専門家であり、機器が常に安全に作動するよう責任を持って取り組んでいます。一人ひとりの患者さまの病状に合わせて機器の細かな設定や調整を行う重要な仕事です。一方で、臨床工学技士は患者さまへの穿刺など、医療行為の一部も許されています。いわば医療機器と患者さまの身体との橋渡しをする存在なのです。

 松塩クリニック透析センターでは、臨床工学技士も、医師や看護師と同様に、常に患者さまと目線を合わせて治療にあたるように心がけています。患者さまの訴えに良く耳を傾けて、体調に関する患者さまの訴えの原因を考察してこそ、臨床工学技士の立場から適切な対応をとることができるからです。

 人工透析は、医療の様々な領域のプロ同士のチームワークによって行われる医療ですが、その中でも、患者さまが不安を感じたときには真っ先に呼ばれ、相談されるような存在を目指して日々勉強に努めています。